2010年2月28日日曜日

避難した日


28日の朝、前日チリで起きた大地震による
津波警報が発令され、避難指示が出ました。

予想される高さが2mとのことなので、宿泊者
総出で一階リビングの畳をはがし二階へ!
ちなみに父島は、1960年のチリ地震津波では
大きな被害を受けたそうです。

そして昼の12時、避難場所の小中学校へ。
体育館に到着すると、テレビでよく見るあの光景。


おがさわら丸の出港日のため、チェックアウトを
済ませ後は帰るだけというお客さんが多いです。

まるでピクニックのようにお弁当を食べたり
アルファ米を珍しがって食べてみたりするうちに、
津波到達(十数cmだったかな?)との情報が。

大したことなかったねーよかったねーなんて
思うのはまだ早く、実はこれから数時間かけて
第二波、第三波がやってくるわけで。

予想外に長い時間をここで過ごすことに
なるのでした。つづく。

2010年2月26日金曜日

こっちがわ


二週間前の休日にウエザーステーションから
見た夕日です。この後、雲に隠れてしまいました。

一回くらいは海に沈む夕日、見られるかな。

でも見られなくても別にいいかな。

それよりも、頑張って6日間のお休みを取って
やって来たお客さんに見てもらいたい。

自分が楽しむことよりも、人に楽しんでもらえて
いるかどうかが、今の私には重要みたいです。


昨晩はよく晴れていたけれど、月が明るくて
星が見えなくて。
だからお客さんと、夜景が見える公園まで
お散歩してきました。

意外と7人も集まってしまい、案内しつつ
「みんな楽しんでるかな?」と心配に・・・

でもでも忘れちゃいけないこれだけは

人を楽しませるには、まず自分が楽しむこと。


小笠原滞在、もっともっと楽しもうと思います。

2010年2月24日水曜日

前浜で


午前のお仕事終了後、いいお天気だったので
お弁当を持って、宿から徒歩1分の前浜へ。

最近毎日湾内でザトウクジラの目撃情報が
あるので、私も見たいわ~と来たけれど
いつの間にか寝ていました。

一旦宿に戻ってフィギュアスケートを観たら、
再び前浜へ行ってボーっ。

あ、クジラ!?
いや、クロールしてる人間だ。すごいな・・・。


そして夜のお仕事終了後も前浜へ行き、
月明かりに照らされながらストレッチを。
これが最近の日課です。

今回の出港中に連泊されているお客さんは
いつもより人数が多く、みなさん打ち解けて
毎晩盛り上がってらっしゃるので、
私は私の時間を過ごさせてもらっております。

ほぼ前浜で。

鼻歌を唄いながら。


2010年2月22日月曜日

晴れたなら


4日ぶりに晴れたなら、洗濯機を何回もまわして
洗濯物を干せるだけ干しましょう。

干した布団を取り込んでベッドメイクが済んだら、
パラソルの下でお昼ご飯を食べましょう。

本日のメニューは、昨晩の残りのママカレーと
カルピスです。ぷはー。

そして好きな音楽と一緒に散歩をしましょう。

帰ってきたら、洗濯物を取り込みながら
その温もりを独り占めしましょう。


夜は反射望遠鏡で月のクレーターを見て
「おー」と驚いてみましょう。

天文の知識がある人がいたら、話を聞いて
「へー」と驚いてみましょう。

晴れた日の過ごし方の、ほんの一例です。


ところで平成22年2月22日22時22分ですが、
私は外でお客さんと静かに話をしていました。

居間はなんだか賑やかでした。

2010年2月21日日曜日

また会いましょう。


出港日の朝、とんでもないミスをしまして
Hさんには大変ご迷惑をおかけしました。
そしてありがとうございました。

今日の船で、3航海ずっと父島にいた
Tちゃんが帰り、同じく3航海のAちゃんも帰り、
なんだか何かが足りない気分。

月が似合うTちゃん、太陽が似合うAちゃん、
またいつかどこかで会いましょね。


今回の入港中はずっと曇り空でした。
おがさわら丸が見えなくなったとたんに光が
射したのはなぜでしょう。

見られなかった青空を見に、
会いたかったけど会えなかったものに会いに、
また来たらいいですよ。

まずは帰って目の前にあることをやる。
そうすればまた来れますから。


2010年2月20日土曜日

あの時の気持ち


出港日前夜のパーティー。
明日帰る方々に頂いた一言からは、
皆さんの気持ちがとても良く伝わってきました。

思い出すのは、初めての一人旅。
がむしゃらに仕事をしていた時に訪れた、
沖縄の八重山諸島。

その旅は楽しいことばかりではなかったけれど、
それが大きな転機となり、今の私がいます。

小笠原滞在はきっと多くの人にとって、
忘れられない人生の一ページになっている。

そんな大切な時間のお手伝いが少しでも
出来たのなら、私も本当に嬉しいです。


もし私が一人旅初心者の頃にこの島に来て、
しかもこの宿に泊まっていたら、きっと私も
島の虜になっていただろうなぁ。


2010年2月19日金曜日

ビーデビーデ


道路を歩いていると、突然地面が赤くなって
ハッとすることがあります。

見上げれば・・・








青空に、鮮やか過ぎるほどの赤い花。

あの『島唄』でお馴染み「デイゴの花」の、
小笠原の固有種「ムニンデイゴ」です。

島では「ビーデビーデ」と呼ばれていて、
語源はハワイ語だとか。

内地でいう桜のような存在なんだろうなぁ。
春が来るって感じかなぁ。
春・・・なのか?
今は冬なのか?


2010年2月17日水曜日

父島てくてく縦断


本日は晴天なり。本日は休日なり。

というわけで、一日がかりで島の南端にある
ジョンビーチへ行ってきました。

ビーチへの道は、片道2時間の遊歩道。
さらに宿から遊歩道の入り口まで歩いたので、
計4時間歩いて辿り着きました。

暑くてしんどかったけれど、高山の尾根道から
見た景色が素晴らしくて楽しかったなぁ。

あそこに見える南島にも、いつか行かねば。


ヤギ以外誰もいないジョンビーチ。
打ち寄せる波。美しい砂浜。眩しい砂浜。わー。

綺麗な小石がたくさんたくさん落ちている砂浜に
私の心はわしづかみにされ、「この浜から
帰りたくない」と本気で思いました。

しかしまた歩かなくてはなりません。
二時間かけてバス停まで行き、そこからは
バスに乗って宿までびゅーん。

荷物を置いて、今度は夕日を見るため
北にある三日月山展望台まで歩きました。

本日歩いた時間は合計7時間。
疲れたけれど、島を北から南まで歩いた
充実感でいっぱいです。


2010年2月16日火曜日

じわりじわりと


前回の入港中はお客さんがとても多く、
なかなか皆さんとお話しできないまま
あれよあれよとお見送り~。

出港後ぐっと人数が減ってからは、お客さんも
スタッフもまったりとした夜を過ごしております。

始めは自分から話すことのなかった人でも、
一緒に飲みに行ったり一緒にごろごろしたり
しているうちに色んな話をしてくれるようになって。

お客さん一人ひとりの色んな面を知ることが
できて。

みんながひとつの部屋に自然と集まる、
相部屋宿の醍醐味ですね。

毎日母島産スターフルーツをおすそ分けして
くれるTちゃんも、ありがとう。


2010年2月14日日曜日

感動の共有


この3日間宿泊されていた団体さん、
今日はホエールウォッチングに行き、なんと
十数頭のザトウクジラに出会えたそうです。

クジラに囲まれてあっちでもこっちでも
ブリーチング(ジャンプ)が見られたなんて、
今まで聞いたことがありません。

年配の方が多かったのですが、皆さん
シュノーケリングも楽しまれたようで。

興奮気味に一日の出来事を話すお客さんと、
一緒に感動させてもらいました。

ありがたいお仕事です。

夜のパーティーには南洋踊り保存会の方々が
ゲストで登場。

明日帰られるお客さん一人ひとりに感想を
いただいたら、皆さん「また来ます」と笑顔。

嬉しいな。




2010年2月13日土曜日

島に棲む者


先日のお休みに行った、初寝浦という砂浜。
車道から遊歩道を30分ほど下っていきます。

誰もいなくて、砂が緑色で、いろんなものが
流れ着いていて、蛙のミイラがいて、
ちょこんとオカヤドカリ君がいて。

あんまり気持ちが良いので、ここでお弁当を
食べてゆっくりしました。

帰りは遊歩道を40分ほど歩きます。
急な上りなので、休み休み行きましょう。


「やっぱり山が好きだなー」なんて思いながら
歩いていたら、希少な鳥も姿を現すかも
しれません。

絶滅危惧種のアカガシラカラスバト。
緑から紫色の首筋がとても美しい黒い鳩。
私のそばに二羽もやってきました。

「36年住んでてもまだ見たことがない」
と宿のご主人。
ここ最近の一番嬉しい出来事です。



2010年2月12日金曜日

アツイ日



今日のおがさわら丸入港時にギャラリーが
多かったのは、某番組の収録で芸能人が
来たからですが、そんなこととは関係なく
うちのお宿は本日満室。

バタバタした一日でした。

しかも今日はとっても蒸し暑くて。

汗をかきっぱなしの一日でした。

気分転換に前浜を散歩したら、モモタマナの
葉っぱが赤いセロハンみたいで。

ああ、綺麗だなーって。

小笠原で唯一、紅葉する落葉樹だそうです。


2010年2月11日木曜日

固有種探し


小笠原諸島は、一度も大陸とつながった事の
ない、海から出てきた島です。
なのでここ小笠原には、小笠原にしかいない
動植物が存在します。

そんな小笠原の固有種を見つけるのが、
ここでの山歩きの楽しみかた。

内地にもある植物とほとんど変わらないもの
ばかりなので見分けるのは難しいですが、
わかりやすくてお気に入りなのはこれ。
木生シダのマルハチさん。


幹を見ると、葉柄の跡が〇と逆さまにした八
みたいでしょう。だからマルハチ。

島では、外来種の侵入を防ぎ、こういった
固有種を守り増やそうとしています。

人が出入りする以上はとても難しいことですが。

どの場所でもそうですが、
持ち込まない 持ち出さない
というルールは最低限守りたいですね。


2010年2月10日水曜日

ようやく島一周


本日はお仕事がお休みです。
お天気もなんとか大丈夫そうーというわけで、
島の道路を観光しながら一周することに
ようやく成功いたしました。

旭山にヤギの後から汗かき登り、
夜明山でマルハチを発見し、
初寝浦の砂浜で波打ち際に落書きをして、
緑の砂を集めていたらオカヤドカリをと遭遇。
帰りにはアカガシラカラスバトともご対面。
中央山も登って、小港海岸で綺麗な貝殻集めに
夢中になり、コペペ海岸でハートの珊瑚を拾い・・・

詳細はこれから小出しにしていきますね。
心地よい疲労感と満足感を抱えて、寝ます。


2010年2月9日火曜日

おが丸に届け


もう二回目のお見送りの日がやってきました。

出港前には小笠原太鼓。

いってらっしゃいの声、いってきますの声。

いつまでも手を振り、手を振り返す。

追いかけるたくさんのボート。

海に飛び込む人。

そして私たちはウエザーステーションに移動。


光を送っていたの、見えましたでしょうか。

もし見えましたら、お手持ちの鏡で光を
返して下さるとこちらも嬉しいです。


それにしても今日は素晴らしいお天気でした。

しばらくこの場所に座って、サンダル焼けを
作ってきましたよ。

2010年2月8日月曜日

島寿司で乾杯


出港日前夜はパーティーです。

小笠原では連泊があたりまえ。
そしてここは一人旅の方ばかり。
お客さん同士自然と仲良くなるので、
このパーティーは楽しいですよ。

乾杯して、食べて、しゃべって、飲んで、
踊って、歌って、またかんぱーい。

長い時間かけて、思い切って来て良かったね。

いなり寿司に見えるのは、島寿司です。
島寿司とは、魚の漬けの握り寿司です。
小笠原では一般的にサワラを使い、
ワサビではなくカラシをつけます。


2010年2月7日日曜日

フラ フラリ


本日の『しまアート』は、フラを踊ろう。
私は参加できませんでしたが、フラって魅力的
だなーってこの島に来て思いました。

小笠原諸島のフラ人口はたいへん多く、
約300人、実に9人にひとりはフラダンサー。

小笠原オリジナルの曲にのせた踊りを
見ていると、すぅーっとこの島の空気が
体に入っていくような気がします。

またウクレレの音色がいいんだこれが。


フラの講習会が行われているすぐ近くの浜で、
落ちた実を見つめたりサンゴを見つめたり
砂を夢中で集めたりする私でした。




2010年2月6日土曜日

南洋踊りを踊ろう


おがさわら丸入港日です。いらっしゃいませー。

お客さんと宿まで歩いている途中に声をかけられ、
今日からしまアート』プロジェクトなるものが
始まったことを知りました。
小笠原の生活文化を体験できるようですね。

本日の体験メニューは、「南洋踊りを踊ろう」。
ミクロネシア地域から伝わった踊りの前半を、
南洋踊り保存会の方々に教わります。

レフト、ライト、レフト、ライト


そしてヘッドバンド作り。
三つ編みの要領で天然の葉っぱを編み編み
したら、いいお土産ができちゃいました。

私は仕事があるのでここで帰りましたが、
この後衣装を着て皆で踊ったそうです。

楽しみながら小笠原を知ることができるって
いいですねー。

次は何に参加できるかな?


2010年2月5日金曜日

カメと雨と私


今日は初めての休日。なのに曇/雨の予報。
島内一周はおあずけにして、近場の遊歩道を
歩くことにしました。

まずは神社がある大神山に登り、展望台がある
公園で港を眺めながらボーっ。
ちょっと移動してはベンチに座ってボーっ。

それから小笠原海洋センターに移動して、
小さいウミガメや大きいウミガメをじーっ。
体を拭いてもらっていた子ガメと真正面でじーっ。

水槽にいると体に汚れがついて皮膚病になる
恐れがあるので、たまに拭くんですって。


そしてくねくね坂道の夜明道路をずんずん上り、
長崎展望台でふぅ。

そこから電信山遊歩道に入って、雨で濡れた
歩道を滑りながら歩き、展望台で昼食タイム。

見晴らしの良い道を歩き続け、ジャングルのような
うっそうとした場所を下りて行ったら釣浜到着。

雨が強くなったので宿に戻って、昼寝と読書。
買い物をしようかと商店街に行ってみたけれど、
おが丸出港中につきお休みの店だらけ。
なので映画を二本続けて鑑賞。

さあまた明日から船がやってくる。


2010年2月4日木曜日

花見


農業センターに植えられている寒緋桜が、
ピンク色の花を咲かせていました。

もともと小笠原には桜がないそうで、これは
外から持ち込まれたもの。

動植物も芸能も、島にある多くのものが
そうです。

長い年月を経てその島の文化になったり
するんですよね。

ヤギなど増えすぎて困って駆除している
例もありますけれど。

ぜんぶ 人間の すること。



2010年2月3日水曜日

1航海


遠くに見えるのは、私を父島まで運んだおがさわら丸。
今日父島を出て、明日東京に戻ります。

ジェットコースターのようなボートに乗せてもらい、
ずーっと追いかけてお見送りをしました。
「いってらっしゃーい」って。

船で1泊、現地で3泊、また船で1泊。これが1航海。
したがって小笠原諸島を旅行するには、通常だと
5泊6日かかるわけです。

これを見送ったら次に帰れるのは6日後なので、
島民でもないのにお見送りをするということは
とても贅沢な経験と言えます。


そんな小笠原ですが人口は父島・母島合わせて
約2400人。子供の数は驚くほど多いです。

そんな島民のみなさんに混ざって、今宵は
神社で豆キャッチ。
年男・年女の皆さんがまいた福豆、しっかり
歳の数は確保できましたよ。

そういえば、こういう豆まきって初体験です。
嬉しいなぁ。


2010年2月2日火曜日

ここだけ


朝方、スコールで目が覚めました。

釣りに行ったお客さんが、色鮮やかな魚を
持って帰ってきました。

この看板の後ろにある木は、タコノキ。
沖縄のアダンと親戚です。

でもこの島の雰囲気は、沖縄とは全く違います。

一度も大陸とつながったことのないこの島には

まだ人が住み始めてからの歴史が浅いこの島には

ここにしかないものがたくさんあるようなのです。

2010年2月1日月曜日

とりあえずギョサン


今日は関東平野でも雪が降るようですね。
では温度差の激しい一枚をどうぞ。

朝7時半、洗濯物を干しながらすでに
「暑い・・・」とつぶやいてしまいました。
(しかし島育ちの宿主さんはフリース姿)

というわけで今日から素足。
今日からギョサン(漁師御用達サンダル)。

なんとなくオレンジにしてみました。
ちょっと元気になれます。
お散歩が少し楽しくなります。

そうそう、言い忘れていましたが
現在父島の宿でお手伝いをしております。

とても短い期間ですが、今回も皆さんとの
出会いが一番の楽しみです。