2009年7月31日金曜日

落とす神あれば拾う神あり@北海道



九州にいたときから、なんだか嫌な予感がしていました。
私のような乗り物の者には、北海道の長くて単調な道は
楽しいというより辛いんじゃないかなと。

そしてそれは二日目に起こるべくして起こりました。
ハッと気付くと視線の先に道路はなく、私とカブは
道路と田んぼの間の低くなった場所に滑り落ちたのです。

バカバカバカと自分を叱った後、一人で落っこちただけで
済んだことに感謝して、即座にカブ救出作業へ。
田んぼのあぜ道に乗せたい。うーんしょ。あがらない。
助けを呼ぼうと歩き出すと、畑に停まっている軽トラの
中からお父さんがこちらを見ているではないですか。

そのお父さんの的確な指示とパワフルな腕により、
カブは無事道路へ帰還。
「これもなにかの縁だから」と家に寄るように言われ、
翌日おじゃまさせていただきました。

お父さんは81歳、現役バリバリの米農家さん。
子どもたちは街へ出て、奥さんと二人暮しだそう。
がむしゃらに働いて6丁にまで増やした田んぼも
年老いた二人ではどうすることもできないと、現在は
2丁4反だけ作っているそうな。

聞けばそこの集落では、以前35戸いた農家が現在は15戸
にまで減り、そのうち後継者がいるのはたったの4戸。
しかもその4人にはお嫁さんが一人もいないとか。
そういえば、荒れた田んぼだらけだったな。

「農家は大変だ。誰もやりたがらないのも当たり前」
その言葉を聞いて、新しい農業の体制づくりがいかに
必要かをひしひしと感じたのでした。

あらゆる作物が植えられた家の周りの畑。
これだけでもかなりやりがいがありそうですねと言うと、
「ああ。今でもいろいろ植えるんだ。何か作らなきゃ
子どもたちが帰ってこなくなっちゃうからな」
と笑っていました。

スイカ、甘くて美味しかったです。

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